消費税10%で受けられる『住宅購入時の特典』について解説します
こんにちは、『公認 不動産コンサルティングマスター資格保有者』・住宅ローンアドバイザー・2級FP技能士・上越市の不動産会社「LIXIL 不動産 上越中央店」の金丸です。
住宅購入において、得する話について、まとめてみました(^_-)-☆
消費税10%で、住宅を購入する人は、ラッキーかも知れませんよ♪
①住宅ローン減税の期間が、13年間に拡大!
まず『住宅ローン減税期間が、10年→13年に拡大』について解説します。
【主な条件】
●消費税率10%を支払って、住宅を買うこと
●2019年10月1日~2020年12月31日までに、自宅として住むこと
【注意点その1】
最初に、残念なお知らせをします。
◆消費税10%増税後、住宅ローン減税が13年間受けられるように優遇されるのは、
➡消費税10%を支払って、住宅を買う場合に限られます!
・売主が個人の中古住宅売買には、消費税が通常かかりません。
・売主が業者(不動産会社など)の中古住宅売買には、消費税がかかります。
◆つまり、中古住宅を購入する場合、個人の方から買ったときは
➡住宅ローン減税期間は、今まで通り『10年間』のままです。
◆住宅ローン減税 13年間の対象となるための最低条件
・新築住宅:消費税10%を支払って購入
・中古住宅:消費税10%を支払って購入
理由:消費増税で、景気が冷え込むことをさけるために用意された特典なので…
消費税を支払わなくても購入できる、個人売主の中古住宅は対象外です。
【住宅ローン減税:13年間の仕組み】
単純に、今までの10年→13年に変更…では、ないのです。(残念)。
◆控除額
ここにも『消費税増税分をカバーする』という、ちょっと細かい仕組みがあります。
・当初10年間の控除額は、借入金(住宅ローン残高)の1%〔かつ上限40万円〕と
今までと変わりません!
・11年目~13年目までの控除額は
1)住宅ローン残高の1%〔かつ上限40万円〕
2)建物価格(税抜き)の2%÷3年間
この2つの内、少ない金額となります。
2)『建物価格(税抜き)の2%÷3年間』って何!?と思いますよね!
→これが『消費増税分をカバー』するための、対策部分なのです。
例えば…
〇建物価格が2,000万円(税抜き)だとします。
すると、建物価格(税抜き)の2%=40万円ですね。
ちなみに『消費税が2%上がった分』とも言えますよね!
→この40万円を3年間で割ると、年間約13.3万円です。
→11年目~13年目までの控除額は、
・この年間約13.3万円または、
・住宅ローン残高の1%
この2つの内、少ない金額となります。
建物価格2,000万円(税抜き)を消費税10%で買うと
→消費税が2%上がる:支払い額40万円UP(残念)
→住宅ローン控除期間が3年間 増える♪
最大で、約13.3万円×3年間で40万円 住宅ローン控除額 増える♪
なんだか、得する話かと思ったら『損でも得でもない…』感じですね。
※「認定長期優良住宅」や「認定低炭素住宅」を購入する場合には、
最大控除額は、住宅ローン残高の1%〔かつ上限50万円〕です。
年間の控除額上限が、一般住宅:上限40万円よりも、10万円優遇されます。
住宅ローン減税の【基本的な仕組み・注意点】については
過去の記事を是非チェックしてください。
➡住宅ローン減税は、200~400万円得する可能性がある制度です
②すまい給付金が、最大50万円に拡大♪
すまい給付金について、解説しますね。
●すまい給付金が、消費税10%購入で最大50万円に拡大されました♪
●所得制限が緩和されて、今までの510万円以下から775万円以下に、引き上げられまし
た(収入額ベース・目安)。
➡すまい給付金を『もらえる額』と『対象になる人』が増えますね♪
【すまい給付金 金額】
●すまい給付金には、所得制限があります
消費税率10%の場合
収入金額 都道府県民税の所得割 給付額
450万円以下 7万6,000円以下 50万円
450万円超~ 7万6,000円超~
525万円以下 9万7,900円以下 40万円
525万円超~ 9万7,900円超~
600万円以下 11万9,000円以下 30万円
600万円超~ 11万9,000円超~
675万円以下 14万0,600円以下 20万円
675万円超~ 14万0,600円超~
775万円以下 17万2,600円以下 10万円
●所得が高い人ほど、すまい給付金をもらえる金額が少なくなります。
●収入額目安:775万円超で、すまい給付金は受け取れなくなってしまいます。(残念)
正確には『都道府県民税の所得割』の数字が、17万2,600円以下かどうかで確認します。
→『都道府県民税の所得割』の金額は、市役所の税務課などで、確認できますよ!
【すまい給付金 要件】
●人に関する要件
・住宅を取得し不動産登記上の持分を保有すること
・住民票において取得した住宅への住居が確認できること
・市区町村が発行する住民税の課税証明書における『都道府県民税の所得割』が、一定額
以下であること
・収入が一定以下であること
目安として夫婦(妻は収入なし)と中学生以下の子供2人のモデル世帯で、775万円
●取得に関する要件
・建物の取得対価に消費税率10%がかかること
・床面積が50㎡以上であること
A)住宅ローンの利用がある場合の要件
・住宅の取得のための借入金であること
・借入期間が5年以上
・金融機関などからの借入金であること
・新築:施工中に第三者の現場検査を受けて、一定の品質が確認された住宅
例えば、住宅瑕疵担保責任保険に加入していること
・中古:売主は宅地建物取引業者であること。
プラス、売買時に第三者の検査を受けて、一定の品質が確認された住宅であること
例えば、住宅瑕疵担保責任保険の加入住宅
B)住宅ローンの利用がない場合の要件
・住宅取得者の年齢が、50歳以下であること
・収入額の目安が650万円以下であること
・新築:フラット35Sと同等の基準を満たす住宅であること
プラス、施工中に第三者の現場検査を受け、一定の品質が確認された住宅であること
例えば、住宅瑕疵担保責任保険の加入住宅
【注意点】
中古住宅の場合は、次の2つの条件を満たす必要があります!
・売主が宅地建物取引業者であること
・住宅瑕疵担保責任保険の加入住宅であること
国土交通省 すまい給付金事務局
③住宅取得資金の非課税枠 大幅拡大!
さいごに、住宅取得等資金の贈与の非課税の拡大について、解説しますね♪
父母や祖父母などから、住宅購入資金の援助を受けて、住宅を取得した場合
消費税率8%の際(2016年1月~2019年9月)
一般の建物:贈与税の非課税枠 700万円
良質な建物:贈与税の非課税枠 1,200万円
でした。
消費税率10%の際(2020年4月~2021年3月)
一般の建物:贈与税の非課税枠 1,000万円
良質な建物:贈与税の非課税枠 1,500万円
※中古住宅を購入する場合、個人の方から買ったとき
→贈与の非課税枠 500万円(良質な建物:1,000万円)
消費税率10%の際(2021年4月~2021年12月)
一般の建物:贈与税の非課税枠 700万円
良質な建物:贈与税の非課税枠 1,200万円
※中古住宅を購入する場合、個人の方から買ったとき
→贈与の非課税枠 300万円(良質な建物:800万円)
・売主が個人の中古住宅売買には、消費税が通常かかりません。
・売主が業者(不動産会社など)の中古住宅売買には、消費税がかかります。
つまり、売主が個人の中古住宅は、消費税がかからないため、消費税率10%の際の『贈
与税の非課税枠の拡大』の恩恵に預かることができないのです(残念)
【注意点】
住宅取得等資金の非課税制度を利用する場合、様々な適用要件があります!
様々な条件をクリアしないと、利用できないためご注意ください。
消費税率10%に増税された場合の3つの特典について、説明してみました。
私が感じたことは、総じて『消費税がかかる住宅の購入についての政策である。』という
ことです。
つまり、個人の方が売主の『中古住宅』は、売買価格に消費税がかからないため、今回、
ほとんど対象にならない点に、注意が必要ですね!
個人の方が売主の中古住宅でも、『住宅瑕疵担保責任保険』を取得済みの物件を購入する
場合、すまい給付金だけは、今まで以上の給付金を受け取れる可能性があります♪
●新築住宅を購入する方は、総合的に大きなメリットを受けれる可能性があります。
●中古住宅(個人売主)を購入する方は、「こだわる必要があまりないのかな…」
と考えます。
いずれにしても、それぞれの制度には、細かい『適用条件』があります。
管轄官庁のHPなどで、適用要件をしっかりとチェックすることをオススメします。